孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
*


 その日から、私は社長が寝泊まりしているホテルに連日宿泊することになる。

 ルイさんも一緒だったはずだけれど、なぜか別の部屋を取ったらしい。

 最初ホテルの部屋に入ったときは、あまりの高級感に目眩がした。

 だけど、下界に見下ろす瞬く星を散らしたような夜景に、目と心を奪われた。

 新しく決めた新居への入居も今週末に可能になると連絡があったらしい。

 引っ越し作業もしないといけなかったけれど、連日ホテルに入り浸っている私に、社長は引っ越し業者にすべて任せればいいといくらかかるかもわからない費用も心配するなと言われた。

 ホテルに宿泊し始めて一週間目の夜。

 夜景を望む窓辺に置かれたふかふかのソファの上で、私は社長の濃密な愛を受けていた。


「ベッド、用意しなきゃな」

「新居にですか?」

「ああ、佐織がどれだけ乱れても壊れないやつ」

「なっ、なんですかっ、それ!」


 膝の上に横抱きにされたまま、ぽこぽことたくましい胸板をパンチする。

 だけど、びくともしない社長は、やさしく微笑んでまた私の唇を奪った。
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