孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「今度、引っ越しの日に探しに行こう。まだ、ちゃんとしたデートなんてしたことなかったからな」

「い、行きたいです……っ!」


 目を輝かせる私をそのまま抱き上げて、社長は広い寝室へと私を運んでいく。

 キングサイズのベッドに降ろされて、軋んだ音を一切立てずに私に覆い被さってきた社長。

 ふかふかの布団に沈み込みながら、強く私を抱きしめてくれた。


「佐織……」


 頬の上で温かな唇が私の名前をなぞり、触れたそこからぞくっとした感覚がお腹の底をきゅんとうずかせる。

 社長がくれる幸せの快感を覚えている体が火照りだすと、遠くのほうでピリリとコールする電話の音が聞こえた。

 たぶん、向こうのリビングに置いてある社長のスマホだ。

 それなのに、社長は聞こえていないのか、私の首筋に唇を押しあてて、欲情をあおろうとしている。


「しゃ、社長……あのっ、電話が……っ」

「ああ、あとでいい……」


 き、聞こえてるじゃないですか!
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