孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 社長とふたりで転がっても持て余す広さのベッドに、ひとりでごろりと寝転び天井を見上げる。

 閉められた扉の向こうからこもった社長の英語の声が聞こえてくる。

 長引いている様子に、やっぱり仕事の電話だったんだと少しだけ寂しくなる。

 扉たった一枚を挟んだだけの距離を寂しく思うのは、私たちがほとんど四六時中と言っていいほど一緒にいるせいだ。

 勤務中も、会社を出た後も。

 自分の居場所があるということが、常に私を安心感で満たしてくれている。

 こうやってほんの少しの距離にも切なさを抱くなんて、私はなんて贅沢な恋をしているんだろうかと思う。
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