孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「向こうに行くのは一時的なものだ。引き継いだ案件で先方が俺を寄越せと言ってきたらしい。事が落ち着いたらすぐに帰ってくる」

「帰って来て、くれるんですか?」


 せっかく満たされていた幸せな気持ちに、横からじわりと不安が滲んできた。


「当たり前だろう。俺が帰る場所は佐織のところしかない」


 だけど、その不安も私を抱きしめてくれる社長が全部吸い取ってくれる。


「大丈夫だ、数日もしないで戻る。週末は、ベッド一緒に買いに行こう」

「はい」


 私は社長を信じて待つだけだ。

 なんにも不安に思うことはない。

 やさしく私を求める唇が、あちこちからここぞとばかりに出てこようとする不安を食べてくれる。

 そしてその不安が二度とそこから出てこないように、紅い封印を残していく。

 体中に想いの封を貼り付けられたあと、社長は私の中から彼の全部で私を幸せいっぱいに満たしてくれた。



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