孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
*


 十四時間の時差は大きい。

 単純に朝と夜の時間が、ニューヨークとは真逆なのだ。


 社長、もう向こうに着く頃かな……


 着いた頃にはちょうど向こうでは、一日が動き出す時間帯のはずだ。

 きっと休む間もなく、米本社へと出向かなければいけないんだろう。

 彼の疲れを思い、そばで癒してあげたい、とどうにもならない気持ちだけを、遠く離れた日本で燻らせておくことしか出来ない。

 一日の仕事を終え、帰ってきたのは自宅マンション。

 社長が、家の引渡しがあるまでホテルにいてもいいと言ってくれたけれど、さすがにあんな高級ホテルにひとりで何泊もいられない。

 引越しの荷造りもしたかったから、自宅マンションに帰ることにした。

 いつも着替えを取りに来るだけだった部屋は、寒い。

 社長が来てくれたときは、あんなにあったかかったのにな……
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