孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 豆柴って……

 茶色い毛がふわっとしていて、手足に白い自毛の靴下履いていて。つぶらな瞳にしゅんとした耳。

 私の中の資料では、ボールと一緒になって芝生の上を転げ回っているイメージだ。

 とても可愛らしいけど、……子どものようなわんちゃんに私が似てるなんて。

 社長とふたりで笑い合っている様子が想像できて、これは嬉しく思っていいものなのか、それとも子ども扱いされているのか複雑だ。


『柴犬の血筋は、賢いんですよ……』


 なんとか自分の沽券を守ろうとちょっとぶっきらぼうに言うと、ルイさんはにこやかに微笑んだ。


『そうらしいね、ご主人に忠実で、その他には警戒心が強い。まさにサオリそのものだ』


 自分をフォローしたつもりが、やっぱり豆柴と一色単にくくられて複雑さは否めなかった。


『忠犬なんだから、いい子で待っているんだよ?』


 そう言いながら私の頭をぽんぽんと撫でたルイさんは、満足したように帰って行った。




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