孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 私、眠っちゃってたんだ……

 重い頭をゆっくりと持ち上げて、薄暗い部屋でソファに座り直す。

 今何時だろうとスマホの時計を見ようとしたとき、遠くのほうでピンポーンとインターホンの音が響いているのが聞こえた。

 まだ少し寝ぼけていた頭が瞬時に覚醒し、今日社長の荷物が届くことを思い出した。

 慌ててインターホンに出てテレビモニターを覗くと、そこにいたのは数名の宅配業社。

 社長の名前を確認するなり、たくさんの荷物を運び入れるとの話を受けた。

 次々と運び込まれてくるダンボール箱。

 あっという間に、ゲストルームのひと部屋がいっぱいになり、リビングにも私の荷物よりもたくさんの箱が並んだ。


「奥様、すみません」


 またしても、社長の妻だと誤解されてどきりとするものの、この先も社長と暮らすのなら、いずれはそうなるのかなと、贅沢すぎる妄想に鼓動を乱す。


「こちらは、直接手渡しを頼まれていた小包です」


 そう言われて、広い玄関先で手渡されたのは、丁寧に梱包された箱。

 “壊れ物注意”と英語でシールの貼られたそれを受け取ると、荷受伝票へのサインを済ませた。
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