孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 受け取った軽い箱には、私の名前を宛名にした送り状が貼られていて、差出人は社長の名前だ。

 なんだろうと首をかしげて、受け取った小包を見つめながら自分の荷物を置いている部屋に戻る。

 ソファに座り込んで包みを解くと、中から真っ白な蓋付きの箱が出てきた。

 両手に収まるくらいの箱の蓋を開けると、最初に目に付いたのは、二つ折りに畳まれたグリーティングカード。

 雪の結晶を模した白いレースで飾られたそれを開く。


【Dear Saori.〈親愛なる佐織へ〉
 予定に間に合わなくなって、すまない。
 一緒に新しい家のドアを開けることも、ベッドを買いに行こうと言ったことも、守れなくてごめん。
 早く会いたいけれど、俺の気持ちだけ先に届けるよ。
 少しだけ早いクリスマスプレゼント、気に入ってくれると嬉しい】


「Merry X'mas」


 丁寧な日本語で書かれた文字を目で追っていくと、最後の英語で書かれた部分だけが、ふいに社長の声で聞こえた。
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