孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 そう言って、少しだけ目元を歪めた社長は、また私を強く抱きしめてくれる。

 大きくため息を吐いて、私の肩に顔を埋める社長。

 ようやくそこで、確かに社長はここにいると理解した心が、寂しさを押しのけて愛しさを爆発的にあふれさせてきた。

 現実を確かめるようにやわらかな髪に頬を寄せると、私を抱きしめる社長の腕が強さを増す。

 そこにそっと片手を添えると、膝の上にある箱の存在を思い出した。


「あ、あのっ、社長……これ」


 ん?、と顔を上げてくる社長と一緒に見下ろす白い箱。

 中にはもうひと回り小さなドーム型の箱が入っていた。


「ああ、それ開けて」


 社長は私から腕を解き、ソファを回り込んで隣に座ってくる。

 入れ物からしてきっと高価なものなんだろうということは察しがつく。

 カードにはクリスマスプレゼントだと書かれていて、それを取り出す指先が緊張と喜びに震えた。
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