冷徹社長の容赦ないご愛執
 日本中を探してもそうそう見つからないであろう“イケメン”と呼ばれる類の人種が、国籍日本の純血ジャパニーズであるのだから驚きだ。

 英文で書かれた社内通達書を翻訳したのは、なにを隠そうこの私。

 事前にウェブ会議の場でも通訳をしていたので、その情報は上層部役員と同時に知っていた。

 日本人の名前を見て、少なからずほっとしたのは、社の全員がそうだったのではないだろうか。

 あちらの国のかたが社の頭となると、やはり文化の違いや、なにより言葉の壁というものがあり、コミュニケーションが取りづらいと、ついて行く社員達も戸惑ってしまうはずだ。
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