孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
自分の世界に入っていたらしい会長の息子は、社長の声にはっと振り返る。
途端に、切れ長の瞳が色を変え、私の手を取る人に、す、と視線を滑らせた。
肉厚の生ぬるい手は慌てて放るように私を手離し、焦った様子で両手を顔の横に挙げた。
「I 'm glad that you released that hand.」
<手、離してくれてよかった>
無抵抗の意思にころっと表情を変え、これまでに見たことのないよう笑みを会長の息子に向ける橘社長。
「It is easy to come, and never touch her.」
<もう二度と彼女に気やすく触るなよ>
笑顔なのに、目の奥が笑っていない。
びっくりするほど強気な発言をする社長に、私はあわあわと顔を青ざめさせると同時に、胸の奥に熱いものを感じた。
途端に、切れ長の瞳が色を変え、私の手を取る人に、す、と視線を滑らせた。
肉厚の生ぬるい手は慌てて放るように私を手離し、焦った様子で両手を顔の横に挙げた。
「I 'm glad that you released that hand.」
<手、離してくれてよかった>
無抵抗の意思にころっと表情を変え、これまでに見たことのないよう笑みを会長の息子に向ける橘社長。
「It is easy to come, and never touch her.」
<もう二度と彼女に気やすく触るなよ>
笑顔なのに、目の奥が笑っていない。
びっくりするほど強気な発言をする社長に、私はあわあわと顔を青ざめさせると同時に、胸の奥に熱いものを感じた。