世界できっと、キミだけが
新しい倉庫が出来てから、使う事のなくなった古い体育倉庫は、鍵も壊れ、中には壊れた備品の仕舞い場所になっている。
電球も切れ、薄暗く不気味なそこには普段ほとんど来たこともなく、誰も寄りつかない。
そんなところに呼び出されるなんて。
それに、相手は私が身代わりをしていることを知っている。
どんな目的があるんだろう。
しっかりしなきゃ。
キィィィと錆びついた音を立てながら扉を開く。
不気味なその中へと足を踏み入れた。
「…誰なの!?こんな事。なんの目的が……っ!?」
中に入り、叫んだ途端いきなり後ろから引き倒され身体を打ち付けるようにして倒れこんだ。
「ひっ!?」
突然の事に戸惑いながら、なにかがあると身構えていた私はすぐに抵抗を始める。
身体を捩り、腕と足を必死に動かし固定されないように。
その相手はそんな私の上にのしかかった。