世界できっと、キミだけが


「そうか…」

「うん…。それがどうかしたの?」

「いや…、なんでもない。確認したかっただけだ」



竜は神妙な顔でそう言った。
私は戸惑いながら竜を見る。
竜はそんな私の頭を優しく撫でた。



「な、なに…」

「ふっ、間抜け面」

「なによぉ」



突然好きな人にそんなことされたらそりゃあ、間抜け面にもなるよ。
しかも、竜がそんなことすると思わないし。

でも、さっきも寝てる私の頭を撫でてくれたっけ。


なんだか…竜のイメージが変わる。
今の竜が本当の姿なのかな。


ドキドキと胸が高鳴る。
竜が好き。

その気持ちが一層に高まるだけ。
叶わぬ恋だってわかってるはずなのに。



< 144 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop