世界できっと、キミだけが
「そうか…」
「うん…。それがどうかしたの?」
「いや…、なんでもない。確認したかっただけだ」
竜は神妙な顔でそう言った。
私は戸惑いながら竜を見る。
竜はそんな私の頭を優しく撫でた。
「な、なに…」
「ふっ、間抜け面」
「なによぉ」
突然好きな人にそんなことされたらそりゃあ、間抜け面にもなるよ。
しかも、竜がそんなことすると思わないし。
でも、さっきも寝てる私の頭を撫でてくれたっけ。
なんだか…竜のイメージが変わる。
今の竜が本当の姿なのかな。
ドキドキと胸が高鳴る。
竜が好き。
その気持ちが一層に高まるだけ。
叶わぬ恋だってわかってるはずなのに。