世界できっと、キミだけが

｢え…、パーティですか？｣



次の日、宇都木社長から呼び出されお屋敷の書斎に竜とともに向かうとすぐ言われた言葉を繰り返す。



｢来週開催される取引先の創立記念パーティーに幸子と共に呼ばれている。それに幸子として参加してもらいたい｣



なんだか、久しぶりに公の場で幸子さんのフリをする任務がやって来た。
あのお別れの会以来幸子さんとして外に出たことなかったから。

その割に色々とあったけれど。



｢ちょっと待ってください。昨日、襲われたばかりでまだ…｣

｢怪我をしたわけじゃないんだろう？｣

｢は…？身体的なことだけじゃなく…｣

｢いわばこれは仕事だ。こちらは金を出し雇っているようなもの。それに、このような危険があるということは承知の上だろう？｣



竜が社長に食い下がる。
どうして？
竜は仕事に関してはとてもストイックだし、私にもちゃんとしろって最初に言っていたのに。