世界できっと、キミだけが
「承知の上?…半ば強引に巻き込んだようなものじゃないですか!」
「なんだ?君こそ雇われている分際で文句でもあるのか?」
「竜!いいよ!私、大丈夫だから!」
この人に逆らっちゃいけない。
竜の立場だって悪くなっちゃう。
竜は仕事に誇りを持ってやっているのに、私のせいで…。
「社長。私は大丈夫です。ちゃんとやりますから」
「お前…」
「大丈夫だよ。心配しすぎ!なんともなかったんだから」
私はそう言って笑ってみせた。
「それでは、失礼します」
話をつけ、書斎から出ようとする。
社長は手元に書類を持ちもう気持ちはそこに行っている様子。
それをちらりと見て、部屋を出ようとノブに手をかけた。
「鹿島…だったか?」
「はい?…鹿島竜です」
「その女に肩入れしているようだが、あまり肩入れしすぎると、命を落とすことになるぞ」
「……」
「お前の父親のようにな」
え…?
私は竜を見上げる。
竜はひどく傷ついたような憎しみのこもったような目で社長を見ていた。