世界できっと、キミだけが


そんなの、信じない。



「なんで、私の事狙わなくちゃいけないの…?」

「最初、狙ってたのは貴方じゃない。幸子お嬢様でしょう?」

「え…」

「オートバイの男が狙ったのは、本物の幸子お嬢様が登場した唯一の日。それを知っていたのは関係者の私たちだけ」




幸子お嬢様を…?



「でも、あの時それは失敗した。オートバイの男が苦し紛れにあなたに攻撃をしたからね。そこで顔まで見られた」

「あの時、竜は幸子お嬢様の事助けようとしました!狙ってるならそんなことするわけない!」

「そんなの、自分から容疑を反らすための演技でどうにでもなる。きっと、幸子お嬢様を傷つけるつもりはもともとなかったのよ。襲われたっていう事実を作りたかっただけなんじゃないかしら。それがきっとオートバイの男の勝手な暴走で予定が狂った」

「そんな…」



あれが演技だったっていうの?
オートバイの男を仕掛けたのが、竜だっていうの…?
そんなわけない。
そんなわけあるわけない。



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