世界できっと、キミだけが


「男の顔を見た事、鹿島に話したでしょう?」

「…え」

「見られたかもしれない。そう思ったオートバイの男は行動を起こした。貴方が見たかどうかを確認するため。それが確信に変わったんじゃない?」




そう言われて、ハッとした。
確かに、車の事故の後病院でオートバイの男によく似た人を見つけて…。
その時竜に話したんだ。
男の顔を見ていたこと。



「顔を見られたと確信したから、貴方を襲う計画を立てた。そう考えるべきよ」

「そんな…。でも、幸子お嬢様を狙う理由なんて…」

「あるの。鹿島には…。幸子お嬢様にというか、宇都木に恨みが…」




え……。
宇都木に、恨み…?
私の知らない話。

胸が騒ぐ。
信じたくない。


なのに、信じざるを得ないような辻褄を合わされて。
そんなはずないって心が叫ぶのに。


現実はそうなんだと突きつけられるようで。


< 181 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop