世界できっと、キミだけが

｢鹿島のお父さんは宇都木の警護中に亡くなってるの｣

｢え……｣

｢KBGのKはね、久住さんのKじゃないの。本当は鹿島のK。鹿島のお父さんが代表をしてたらしいの。亡くなってから久住さんが継いだみたいだけど｣




だから？
任務中に亡くなったから、竜は宇都木を恨んでる？
でも、竜はボディーガードの仕事に誇りを持っていて。

でも…。
宇都木社長に呼び出された時、社長の言葉に憎悪を向けている竜を見た。
竜は、宇都木社長を恨んでる…？



｢そんな…、信じたくない。そんなこと…｣

｢そうね。それはわかるけど…｣

｢どうして…。吉沢さんは竜の事好きなんじゃないんですか？それなのに…｣

｢あなたにはバレてるのね。そうね、でも、それとこれとは別の話だから…｣




そんな風に割り切れるの？
でも、吉沢さんだって本当は信じたいはず。
それでも、ボディーガードとして心を鬼にして。