常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
亜湖はゆったりした一人掛けのソファから立ち上がった。彼女は上から大地を見た。
亜湖を見上げる彼が一瞬、頼りなさげな子どもの表情になった。
……これから、会社の大改革をしようとしている人が、なんて顔してるの?
亜湖はおかしくて、ふふっ、と笑った。
そして、初めて自分から大地を抱きしめた。
「あなたと一緒に、泥をかぶってあげる」
高いトーンだが落ち着いた声で、大地の耳元に囁いた。