常務の愛娘の「田中さん」を探せ!

大地は亜湖の手を引いて、立ち上がろうとした。ところが……

「……あれ?……立てない?」

立ち上がろうとしたら、ふらついて、またソファに腰を下ろしてしまう。
それが何回か、繰り返されたあと……

「まさか……!?」

大地は次の瞬間、がくん、と力が抜けて、ばたっ、と一枚板のカウンターに突っ伏した。

「どうしたんですか?……大丈夫?」

亜湖が当惑して心配そうに覗き込む。

「これ、飲んで」

グレンダロウの隣にあったチェイサーが差し出される。

酒を呑んでこんなふうになったのは、いつ以来だろう。視点が定まらない。
景色がぐるぐるぐる…と回っている。
目を(つぶ)っても身体(からだ)が揺れているようだ。

……これでは、顔を起こそうと思っても、起こせない。そもそも、かつてこんなにまでなったことがあっただろうか……?

先週の蓉子と水島に引き続いて……
今夜、亜湖のペースに呑まれて……

というか、亜湖との濃厚なディープキスで酔わされて……


……大地が潰れてしまった。

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