常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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亜湖は会計をしようと何度も杉山を呼んだが、彼は奥から出てこなかった。
仕方ないので亜湖はベージュのダミエ・アズールのトートバッグからダークブラウンのダミエの手帳を取り出し、ぴりりっとレフィルをちぎった。
そして、行書のお手本のような綺麗な文字で、
【今日はご馳走さまでした。お勘定は後日必ず支払いに参ります】
と書き置いて、激しい酔いから少し落ち着いた大地を立ち上がらせて、店を出た。
今まで数々の猛者たちを酔い潰してきた亜湖にとって、酔っぱらいの介抱は慣れているとはいえ……女子の中でも小柄な彼女が、ふらふらと足元の定まらない長身の大地を支えて歩かせるのは至難の業だった。
しかも、自分のトートバッグを肩にかけた手で大地のPORTERのブリーフケースも持たなければならない。
なんとか大通りまで出てタクシーを拾い、大地を押し込むようにして乗せたが、彼は座ったとたん寝落ちしてしまった。
このままでは行き先を告げられない。
亜湖は彼の隣に乗り込んだ。
大地を揺すって住所を聞き出し、運転手に告げる。
タクシーが到着した先は、月島のタワーマンションの前だった。亜湖は料金を支払って、大地と一緒に降りた。
彼を揺すってもちゃんと目覚めず、まだ半分眠っているようだったから、放っておけなかったのだ。
……ほんとは見たくなかったんだけどな。
亜湖は目の前にそびえ立つ、夜空へとそのまま続いていきそうな高層の建物を見上げた。
亜湖は会計をしようと何度も杉山を呼んだが、彼は奥から出てこなかった。
仕方ないので亜湖はベージュのダミエ・アズールのトートバッグからダークブラウンのダミエの手帳を取り出し、ぴりりっとレフィルをちぎった。
そして、行書のお手本のような綺麗な文字で、
【今日はご馳走さまでした。お勘定は後日必ず支払いに参ります】
と書き置いて、激しい酔いから少し落ち着いた大地を立ち上がらせて、店を出た。
今まで数々の猛者たちを酔い潰してきた亜湖にとって、酔っぱらいの介抱は慣れているとはいえ……女子の中でも小柄な彼女が、ふらふらと足元の定まらない長身の大地を支えて歩かせるのは至難の業だった。
しかも、自分のトートバッグを肩にかけた手で大地のPORTERのブリーフケースも持たなければならない。
なんとか大通りまで出てタクシーを拾い、大地を押し込むようにして乗せたが、彼は座ったとたん寝落ちしてしまった。
このままでは行き先を告げられない。
亜湖は彼の隣に乗り込んだ。
大地を揺すって住所を聞き出し、運転手に告げる。
タクシーが到着した先は、月島のタワーマンションの前だった。亜湖は料金を支払って、大地と一緒に降りた。
彼を揺すってもちゃんと目覚めず、まだ半分眠っているようだったから、放っておけなかったのだ。
……ほんとは見たくなかったんだけどな。
亜湖は目の前にそびえ立つ、夜空へとそのまま続いていきそうな高層の建物を見上げた。