常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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小学一年生の亜湖は、その日、朝から不安だった。
おとうさんの会社の「新年パーティ」とかいうのが大きなホテルであって、おとうさんが亜湖を連れて行きたいらしい。
でも、おかあさんは六年生のお兄ちゃんがもうすぐ「入試」で「塾」へ送り迎えしないといけないから、一緒に行けないと言う。
『大人の人ばかりじゃないの?』
心細くて行きたくない気持ちをわかってもらいたくて亜湖が尋ねると、
『大丈夫、亜湖と同じ小学生の子たちもいるからね』
おとうさんはそう言って、亜湖の頭をぽんぽん、とした。
亜湖の気持ちとは裏腹に、おかあさんから七五三のときに着た、鶴の刺繍の真っ赤な着物を着せられた。作り帯なのでそう苦しくはないが、まるでロボットみたいな動きになるから、亜湖は着物があまり好きではなかった。
髪は結い上げるには中途半端な長さだったので、そのままにしたが、おかあさんはつげ櫛で亜湖のおかっぱ頭を丁寧に梳かした。
『亜湖、まるでお人形さんみたいだぞ』
おとうさんは破顔していた。
……お人形さんっておとうさんは言うけど。
「リカちゃん」とはずいぶん違うと思うんだけどなぁ。
小学一年生の亜湖は、その日、朝から不安だった。
おとうさんの会社の「新年パーティ」とかいうのが大きなホテルであって、おとうさんが亜湖を連れて行きたいらしい。
でも、おかあさんは六年生のお兄ちゃんがもうすぐ「入試」で「塾」へ送り迎えしないといけないから、一緒に行けないと言う。
『大人の人ばかりじゃないの?』
心細くて行きたくない気持ちをわかってもらいたくて亜湖が尋ねると、
『大丈夫、亜湖と同じ小学生の子たちもいるからね』
おとうさんはそう言って、亜湖の頭をぽんぽん、とした。
亜湖の気持ちとは裏腹に、おかあさんから七五三のときに着た、鶴の刺繍の真っ赤な着物を着せられた。作り帯なのでそう苦しくはないが、まるでロボットみたいな動きになるから、亜湖は着物があまり好きではなかった。
髪は結い上げるには中途半端な長さだったので、そのままにしたが、おかあさんはつげ櫛で亜湖のおかっぱ頭を丁寧に梳かした。
『亜湖、まるでお人形さんみたいだぞ』
おとうさんは破顔していた。
……お人形さんっておとうさんは言うけど。
「リカちゃん」とはずいぶん違うと思うんだけどなぁ。