溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
これはまた一から説明したほうがいいのかと考えていると、九条さんが無言で首を振る。
私は心の中で了解とつぶやくと、笑顔を貼り付け視線を向けた。
「えっと、じゃあ配色とかレイアウトも、私が決めちゃっていいですか?」
「うん! いいよ! そのほうが助かる! もう好きにやっちゃって!」
「わかりました」
パタンとパソコンを閉じると、千葉さんがやった!終わった!と、嬉しそうにガッツポーズをする。だけど一瞬、その顔が曇ったのが見え、
「あの、千葉さん? 他にお困りのことがあったら相談に乗りますよ?」
少し気になって、そう声をかけた。