溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「そうだ! 青葉ちゃんまだ時間ある? ちょっとお礼させてよ!」
「え? お礼もなにも、まだなにもできていませんけど」
「そんな細かいこといいからいいから。京吾、青葉ちゃんちょっと借りるけど、そこで少し待ってて!」

うんともすんとも言わせない勢いで、私の手を引っ張りソファから立たせる。

「えっ? 何する気ですか?」
「青葉ちゃんて、すっぴん?」
「えっと、これでも一応してます」

というか、これ以上どうしていいかわからないといったほうが正しいかも。

「よし任せといて。可愛くしてあげる!」
「い、いいですっ! 私興味ないんで!」
「何言ってるのよ、若い娘が! ちょっと来なさい!」

ぐいぐいと強引に引きずられるように奥へと連れて行かれる。今から帰って仕事があると言っても聞いてくれず、リクライニングソファへと無理やり座らせる。

「じっとしてて。すぐ終わるから」

さっきのしおらしい千葉さんはどこへ?顔つきが全然違って自信に溢れているというか、楽しそう。いつの間にか立場が完全に逆転してしまっている。しかも九条さんも止めないし……。 

「あの、痛いのは嫌ですからねー!」
「美には痛みが付きものよ!」
「ちょっ、と、えーっ! ひゃー!」

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