溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「私みたいな人間からしたら不便な世の中よ。焼肉屋さんやお寿司屋さんですら得体のしれない機械で注文させられるでしょ? この前も全然使い方がわからなくて、何度店員さんにそう言っても、それからしかオーダーはできませんの一点張りで。結局なにも食べずに出てきちゃったし。機械ばかり押し付けてくるな! って思わず叫びたくなっちゃった」

ふふっと肩をすくませ恥ずかしそうに笑う千葉さん。

どんどん便利な世の中になって、みんな喜んでいるとばかり思い込んでいたけど、みんながみんなそういう感覚ではないんだ。

「あ~あ、私自分のお店のシステム使いこなせるかな」
「大丈夫ですよ! きちんとレクチャーしますし、わからなければいつでも連絡ください。すぐに駆けつけられないときも遠隔で入れますから!」
「ありがと、青葉ちゃん。京吾に頼んだの失敗だったかなって思ってたけど、青葉ちゃんみたいないい子が来てくれたからよかった! この人冷たいでしょ? 口数少ないし、なに考えてるかわかりづらいし」

ズバズバと言いたいことを言う千葉さんにヒヤヒヤしなが九条さんをこっそり見る。

だけどやはり相変わらず無表情で、絶対聞こえているはずなのにノートパソコンを見つめるだけ。

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