溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「へぇ、なんだかよくわからないけど、ようは人使いの荒い上司に、いいように開発されたってわけだ」
「……まぁそんな感じです」
「ひどいやつねぇ。でも京吾らしい」

千葉さんがクスクスと笑う。

「そういえばあいつが言ってたよ。ちょっとヌケてるけど、どんなに無茶ぶりをしても弱音も吐かず、必ず最後までやり遂げる頑張り屋な子がいるって。それってさ、青葉ちゃんのことよね? 会った瞬間そう直感した」
「そんな、私なんて全然ダメダメです。いつも九条さんのこと怒らせるし、怒鳴られてばかりで……」
「それそれ。それも言ってた」

……え?

「いい仕事するのに、いつもどこか自信なさげだって。褒めるなら陰で言わないで直接本人に言えばいいのにねぇ。じゃなきゃ後輩が伸びないってね。まぁそういうやつだけどさ」

いい仕事……。初めて言われた。もう何年も九条さんの下で仕事をしているけど、褒めてもらった事なんてほとんどない。ううん、全く無い。そんな風に思ってくれていたなんて、すごく嬉しい。
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