溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜
「あのユリさん、なんの話でしょう?」
「なんのって、あの二人のツーショットを見ていられなかったから、お腹すいたなんて嘘ついて私を連れ出したんでょ?」
あたかも当然とばかりに、澄ました顔でユリさんが言う。そんなユリさんにブンブンと首を振り、全力で否定した。
「それはユリさんでしょ! 怖い顔で睨んでたじゃないですか!」
「えぇ? 怖い顔? してないけど。失礼ねぇ」
「で、でも、好きなんですよね!? 九条さんのこと」
前のめりになりながら、一ミリも動揺を見せないユリさんにそう問う。