隣人はヒモである【完】



「……お風呂沸かしますか?」


「え? いいよ、気使わなくて」


「あ、はい」




なんでこうなっちゃうかな?


おじさんはあたしの部屋の隅の方に座り込んで、さっき手渡したバスタオルで頭をがしがしと無造作に水分を吸わせた。


さすがにこの人を家に置いておいて、自分だけお風呂に入るのはなあ。るいくんちでシャワー浴びてきたからまだよかったけど。




「……あの、秋元さんはいつ帰ってくるんですか」


「うん? ……ああいつだっけ。明後日の夜ったかな」」


「え」


「……いや、もちろん、明日の夜は別に泊まるとこ見つけるんで。心配しなくても」


「……へえ、そうですか」




そういえば他人を部屋にあげるのは初めてだな。……初めてがこの男って。


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