隣人はヒモである【完】



「秋元さんは、何の仕事してるんですか?」


「さあ、知らない」


「……知らない、って」


「君は? なんていう名前なの?」


「……穂波です」


「穂波?」


「はい」




長い前髪で、目が合わないのが不気味。


こんな男、家に入れるんじゃなかった。ましてや泊めるなんて。言うんじゃなかった。


と、思うのに、この人の一挙一動ひと言ごとに強烈に引き付けられるのはなんなんだろう。




「ふうん。初めて知った。……大学生?」


「はい」


「へえ。若いね」


「あなたは?」


「25歳。島田レオ」




25歳?


思ってたより若い男の年齢に何も言えずにいると、レオさんは「もっと若く見えるでしょ? 童顔なんだ、俺」なんて見当違いなコメントを述べた。


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