ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



店を出たのは午前2時過ぎ。

テンションがあがって飲みすぎた沙奈は、ひどく酔っ払っている。

「いったん、あそこに座ろう!」

大きなビジョンの前に休める場所があった。

相変わらず指輪を見てニヤニヤしている彼女を座らせ、その肩を抱く。

「風に当たってたら、酔いも醒めるよ」

「ニヒヒッヒ! 敬太くぅ~ん、愛してるよー」

公衆の面前でキスをせがむ沙奈。

唇の照準が、まったく定まっていない。

「ダメだこりゃ」

そう言いつつも、いつもとちがう彼女が見れて、幸せを感じていた。

「スー……んん……」

「早っ!」

すでに、俺の肩で就寝中。

起こすのもしのびなく、ズレたダウンコートを直して引き寄せる。

無防備すぎる寝顔を見つめ、感傷に浸った。

……あれから2年か。

呪いのゲームは、本当の意味で都市伝説になった。

今でもネットにたびたび、検証動画が登場する。

しかし、磨理子さんが姿を現すことはない。

明日、ふたりの墓の前に立つことが、俺の中で1つの区切りを迎えられる気がしていた。

「ねぇ……なに、あれ?」

そのとき、近くにいた若い女の子が、携帯でビジョンを差す。

「うぉ! なんだ!?」

隣にいたおそらく彼氏も、とっさにスマートフォンを構える。

「見ろよ」

「なんかヤバくない?」

「これ知ってるぅ!」

騒然としはじめる周囲に感化され、俺も視線をビジョンに向けた。



「な゛、なんで!? そんな……」



 
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