ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
コレクションにないグッズを買いあさったあと、カラオケボックスで練習の成果を披露。
大量に汗をかくほどの大盛りあがりで、気付けば日をまたいでいた。
オタクの聖地を出たあと、御徒町のラーメン屋で全員が大盛りを頼む。
好きなメンバーを語る熱さは、運ばれてきたラーメンにも、カウンターの端に取りつけられた大型テレビの音量にも負けないぐらいのボリュームだった。
「やっぱり、みんなでいられる、この時間は楽しいな! 現実に帰りたくないよ……」
替え玉を待つ間、ピンちゃんは寂しげにそう言う。
「ボクも。学校じゃコミュ障だしね」
感化される浩介。
「じゃー、サボッちゃう? 明日」
「「え!?」」
ハナから学校に行く気のなかった僕の提案に、顔を見合わせる愉快な仲間たち。
ひとり、またひとりと頬がゆるんでいく。
「「いいねぇ!」」
「ま、オレは毎日休みだけどな」
「サボッちゃえ!」
……え!?
この結果には、提案した僕が一番驚いた。
まさか全員が賛同するなんて、思ってもみない。
「てか祐一郎、なんで急にこっちに来たんだ? 明日も普通に平日なのに」
杉山さんは箸箱から爪ようじを取りながら言った。
「会いたい人がいて……それで」
「まさか、これか?」
口にくわえたあと、ニヤニヤしながら小指を立てる。
「ち、ちがいますよー!」
「怪しい……実は?」
「だ・か・ら! 彼女なんかじゃないって」
女が絡むと、男はしつこい。
どうにか話題を変えるため、僕は知恵絞る。
……そうだ!
いい考えが閃き、急いでカメラケースのポケットから携帯を取り出し、皆にあの掲示板を見せた。
“呪われし禁断のゲーム”と書かれた都市伝説。
「ところで、これって知ってる?」