ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
『ぁ! もしもし……ああの、私、菜摘の母です』
『あーー、お母さん!』
待っていたかのような刑事のダミ声が、受話器の反対側に立つ僕の耳まで聴こえてきた。
表情だけで助けを求める母の耳もとで、ささやく。
「病院の名前を聞きだして」
『ぇ!? ……ええ、留守電を今、聞きまして……そうです。あのそれで、娘は病院にいるんですよね? ……どちらに? ……はい、わかりました』
――ガチャ。
「アンタいったい、なに考えてるの!?」
電話を切った母は、すごい剣幕で怒った。
「僕がこの目で確かめるんだよ! 本当に話ができない状態か!」
2階の部屋に向かいながらそう答えると、腕を力いっぱいに引かれた。
「そんなこと許しません!」
昔は、母の力の強さが世界最強だと思っていた。
だが今は、簡単に振り払える。
……ッチ。
「邪魔だよ!」
――ドタンッ。
「ッ!」
その拍子に、転倒する母。
「ぁ……」
背中を丸めるその姿。
……いつ、こんなに小さくなったんだろう。
「なぁ、母さん。菜摘の口から直接聞きたいんだよ。ことみを殺した日に、なにがあったのか……母さんだって知りたいだろ?」
肩を抱いて切実に訴えると、3本シワの目尻から大粒の涙が流れる。
「知りたいわ゛よ!! 私だって、私だって……叶うなら、殺してやりたい!」
「…………」
嘆き悶える母を抱いていると、1つの決意が心の中で激しく燃えた。