ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
杉山さんはただ、感情的になっているだけ。
なにを言われようとも、僕のやるべきことがある。それは、残るふたりに終わりの儀式をさせること。
しかしながら、携帯を持つ手はためらった。
“みんなだよ、みーんな”
さっきの言葉がよみがえる。
これから電話をかける相手も実はそうなのかと思うと、あまり気が進まない。
……今日しかないんだ。
推測に過ぎないが、“指を切られる”終わりの儀式は、ふたり以上いないと成り立たない。
すなわち、今日の夜が最後のチャンス。
邪な感情を押し殺し、アドレス帳を展開していく。
片時も携帯を手放さない生活を送っているのだろうか、彼は電話に出るのがいつも早い。
『もしもし、ピンちゃん?』
『なに? どうかした?』
その返事から、死んだふたりのことをまだ知らないと容易に推測できる。
『今晩、出てこれるか?』
『べつに構わないけど、なんで?』
『……理由は、会ってから話すよ』
気弱な性格の彼。終わりの儀式について詳細を話したら、怖気づいて待ち合わせ場所にすら現れないだろう。
だから僕はあえて伏せた。
……その方がいい。
今日、2回目の新幹線。
僕は再び、東京へと向かう。