ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
やがて雨があがり、夜も明ける頃。
「では。捜索願として、広域に手配を掛けますので」
沙奈の写真を持ち、律儀に敬礼をして、ふたりの警察官が去っていく。
「僕も思い当たる場所を捜してみます!」
じっと待っているわけにもいかず、再びバイクにまたがり、パトカーのあとを追いかけるように沙奈の家を出る。
俺の頭の中には、ついさっきの言葉が巡っていた。
警察が駆けつけるまでの約15分の間に、ソファに腰掛けてうなだれる父親は言ったんだ。
『やっぱり、キミのもとに行かせるんじゃなかった』と……。
もし、俺が警察より先に沙奈を見つければ、ふたりの交際を許してもらえるかもしれない。
また引き離されるとしても、せめて彼女の無事だけはこの目で確認したい。
……どこにいるんだ。
「沙奈……」
こういうときは、原点回帰。
まっ先に向かったのは、あの公園だった。
すべての、始まりの場所。
強い日差しを浴びて幹がひび割れている大木に、そっと手を当て、念を送る。
……沙奈の居場所を教えてくれ!
夏の終わりに灯した花火。
友の声。
小指を失い、寄り添うように倒れた沙奈。
この木は、最初から俺たちを見守っていた。
……なぁ……沙奈は今、どこにいる?
「頼む、教えてくれ!」
意識を研ぎすまそうと躍起になる俺の邪魔をする、ひとりの女。
ズッ──
ザザザザザザッッ――
その這う音が、記憶の中でよみがえった。
「ちがう、ちがう……」
俺が捜しているのは磨理子さんじゃない。
必死に打ち消そうと頭を振る。
だが。
……ん? いや、それでいいんだ!
沙奈は磨理子さんに憑依されていた。
もしも、まだその状態が続いているとしたら……。
磨理子さんを探すこと、それは沙奈を捜すことでもある。
……磨理子さんなら、どこに行く?
「大切な人……」
……そうか!
再び得た手足を駆使して、大切な人に会いにいくかもしれない。
磨理子さんにとって、それに値する人物はたったひとり。
「母親!? 病院だ!」