ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
ようやく、捜していた彼女が見つかった。
ほのかな月明かりに照らされ、一生忘れ去ることのできない、衝撃的かつ悲惨な亡骸として。
「う゛!」
「ッ……これはあんたがやったのか?!」
「私じゃない!」
手足の無い身体。
それだけでも十分に酷いのに、横断幕を掲げる支柱に縄をかけて、首から吊るされていた。見上げるほどの高さで。
「ぉ、下ろそう! 今すぐ!!」
康文は舞台袖に向かって走りだしたが、
――キュ、バダンッ!
足を滑らせ、派手に転ぶ。
「ひっ゛!?」
だが、痛がるでもなく、床についた手を恐々と見つめていた。
「ち……血だ!」
「どうした?! ん゛」
康文の背後まで駆け寄った僕は、その血のりが象る文字を読み上げる。
「イジメの……末路」
舞台に吊るされた強い殺意と、床に記された確固たる意思。
僕らは今、初めてそれを目の当たりにした。
「また救えなかった……くっ゛」
――ダンッ!
三夜連続で、教え子の無惨な姿を直視した先生は、いきり立つ悔しさを拳に込めて床へ叩き落とす。
その足の裏から伝わる振動が、康文の正常な判断を奮い起こす。
「け、警察を呼ぼう!」
やがて1台目のパトカーが到着してから、分刻みで増える赤色灯。
はるかの遺体は5人の警察官によって静かに下ろされ、弔いの言葉を掛ける間もなく、黒い収容袋に包まれて運び出される。
現場を執り仕切る刑事は、先生を含めた僕ら3人を警察署に連行するという指示を出した。