ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
「たっちゃん! よかった……」
僕を見るや、深く安堵した表情を見せる彼女。
乱れた髪をサッと耳にかけ、丁重に僕らを豪邸へと招き入れる。
例の長いダイニングテーブル。
斎藤は席に着くと、手持ちのカバンからノートパソコンを取りだす。
起動を終えると浜田が、手のひらをパンッと鳴らして擦り合わせた。
「さて! キミたちに確認してもらいたい映像があるんだが、その前に水嶋くん」
「は!? はい」
ふたりとも手帳を取り出し、こう続ける。
「星都中で行動を共にしていたのが上村康文くんだよね?」
「はい」
「間違いない?」
「ええ!」
「その時、玄一郎太とえっ……と」
「山口」
「そう! 山口基弘くんは?」
「別行動ではるかを捜してました」
「それも、間違いない?」
「……ぇ」
実際に、捜している様子を見てはいない。
改めて問われると、確たる自信はなかった。
「はい、多分」
「……なるほど」
僕には、あまり意味のない確認のように思えた。
しかもさらに、この後の質問は何故か、それぞれの将来について。
僕は、誰がどの道に進むのかをざっくり説明すると、ふたりはある職業に過剰な反応を示す。
「「医者?!」」
「……ぇ、ええ。山口は春から大学病院の研修医ですけど?」
––……。
そして顔を見合わせ、意味深にニヤリ。
「ビンゴ!」
「ですね!」
むろん、黙って聞き逃せるワケがない。