ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
僕らが一番早くファミレスに着き、飲み物をオーダーして待っていると、それはそれは浮かない顔をした美佐子がやって来た。
開口一番に、
「はるかが死んだってホントなの⁉」
と、鬼気迫るとはまさにこのこと。
遅れて玄と山口、康文は事情聴取から解放されてそのまま駅伝部の練習に向かったらしく、欠席。
「自分も死ぬかもしれないのに、アイツすげぇな」
「最後の箱根だもん。ヤスから走ること奪ったら、死んだも同然なんじゃない」
「そんなもんか?」
「アカネも来れないって」
集まってしまえば口数は増えるが、ひとりだけ一言も発しないヤツがいる。
「どうした? グッさん」
山口だ。彼は、はるかと小指を繋いでいた美佐子以上に怯えていた。
この期に及んで、僕は目的の達成を試みる。
直哉は大貫をプールに突き落とし、亮平は彼女の筆箱を屋上から投げたと言っていた。
はるかは分からないけれど、“石”にまつわる何かだと推測している。
「ミサコ、お前……、アイツに何をやった?」
「ぇ⁉」
一瞬ギョッとして、途端に曇る顔色。
「今のところ明確にわかってるのは、あの頃やられたことを今やり返してること。だからよく思い出せ! お前は大貫に何をしたんだ?」
「ッ……」
「ミサコ!」
彼女は両肘をつき、頭を抱えた。
そして、沈黙の世界に誘う言葉をポツリ。
「ごめん。たくさんありすぎてわからない」
——…………。
周囲を取り巻く空気がそう感じさせるのか、僕の身体はズシリと重くなった。
いかにも、ここにいる面々は復讐されるに値するようだ。
すると、珍しく声を荒げ、玄が山口を問いつめる。
「お前は⁉ あいつに何をしたん?」
皆の視線が顔に突き刺さるのを嫌がり、腕でかばう山口。
観念したと思いきや、往生際が悪かった。
「俺、帰るわ!」
「ぉおい!」
手前端に座ったのは最初からそのつもりだったのか、有無を言わさず店を出て行く。
「…………」
逃げることが楽だと知っているのはなにも彼だけじゃない。