ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
待ち合わせ場所に選んだのは、駅前のファミレス。
あの後皆も無我夢中で逃げたらしい。自分の現在地が分からなくなるほどに。
「あれ、ナオヤは?」
「そっちこそ、ヤスは?」
「……あいつ速すぎて、見失ったんだ」
僕は何度も康文に電話をかけた。しかし、呼び出し音が鳴っても応答は無い。
「出た!」
困惑する一同の中、隣のテーブルに着席した茜が叫ぶ。
「直哉? ナオヤ⁉ 今どこ?」
どうやら相手は彼らしい。
「ぇ、ちょ……」
だが、すぐに携帯を耳から離す。
「なんて?」
「お前には関係ない……って」
いかにもアイツらしい横柄な態度。ある意味、ホッとした。
「ところでさ、あれは一体何だったの?」
それも束の間、美佐子は僕と彩矢香を問いつめる。
「お前ら間近で見たんだろ?」
亮平や、
「本当にヒトだったの⁉」
はるかも。
“アレ”は、僕たちが逃げた後も、直哉を追うようにして動いたらしい。
「あぁ。女だ」
「「オンナ⁉」」
もうひとりの目撃者である彩矢香は、僕の答えに同調して静かに頷く。
すると突然、山口が声を荒らげた。
「それって、大貫か⁈」
「……いいや、違う。全然知らない女だった」
「本当に⁉」
「うん」
彩矢香も大袈裟なぐらい首を縦に振る。
「じゃあ、一体誰なの……」
――……。
通夜のように静まり返ると、ここぞとばかりにオーダーを取りに来るウエイトレス。
適当に注文を済ませた後、玄が端を発した。