ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】




「ひとり、女の人がいたんだ。お姉ちゃんと同い年ぐらいの。背はすごく小さくて……太ってる」

「どこかで見た記憶があるとか⁈」

「ううん。でもその人が、“私はお姉ちゃんと友達だ”って言ってた」

「え⁉」

身長が低くて、太っている。

聖矢が証言する背格好は、昨夜の話題にもあがったばかり。

「なるほど……」

大貫幸恵。イジメられていた彼女になら、聖矢を誘拐する動機もある。

「他に、他に特徴は⁉」

「んと……ぁ」

思い出した内容への期待感から、聖矢の両肩を鷲掴みにする。

「何だ⁈」

「手首にいっぱい線があった」

「……線?」

子どもらしい表現を僕の知識に変換すると、答えはリストカットの痕になる。

そこまで話して突然、聖矢は僕の胸に飛びこみ、身体を小刻みに震わせながら言う。

「僕を放してくれた時ね、別の男の人が言ったんだ。“このことは誰にも言うな。お前が大人になっても、ずーっと見張ってるからな”って……」

その時!



 
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