ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】




「言いふらしてたやろ、あいつ。最先端のビジネスをやってるって」

「あぁ、言ってた!」

その実態は、振り込め詐欺だった。

常に新しい手法を取り入れるのだから、あいつの言葉はウソにはならない。

「組には属さん通称ハングレ。最近は他にも、覚せい剤や大麻なんかをさばいてたらしいで」

むろん、縄張りを荒らされたヤクザが黙ってはいない。

「報復やろな。残忍な殺され方をされとんのが何よりの証拠」

玄の話は妙に説得力がある。それは僕の感性だけに留まらない。

「じゃあさ、結局は自業自得ってこと?」

「極悪非道な連中を敵に回しとんのやさかい、ハッキリ言ってそうやな」

同級生が犯罪者と知った途端、急に手のひらを反しはじめる旧友たち。

「な~んだ。殺されて当然じゃん!」

「あの見た目だもんな。ろくな仕事してないだろうとは思ってた」

直哉の真の顔が明るみとなり、同時に皆の裏の顔を知る。

こういう時につくづく感じるんだ。

彼らの目に、僕はどう映っているのかと……。

「ねぇねぇ。せっかくまた集まったんだし、これからみんなでどっか行かない?」

直哉の死を悼むこともせず、突然そんなことを言いだす美佐子。

これに、本日の一言目を発する亮平も相乗りする。

「いいね! カ…ラオケは昨日行ったから、ボウリングとか?」

「それ、採用!」

「とりあえずさ、軽く飲みに行こうぜ!」

テンションの様変わりをまざまざと見せつける山口。

ここに駆け込んできた時の顔面蒼白は何だったのか。

「タツミも行くでしょ?」

「ぇ……」

僕はもちろん乗り気になれない。警察署で交わした先生との会話が嫌な予感をかき消せずにいる。

「ぃ、行こうかな」

でも、言えなかった。昔みたいな笑顔に戻ったこいつらへ。

彩矢香も僕と同じなのだろう。眉間にシワを寄せて、何ともいえない表情を浮かべている。

「サヤは?」

「……ぅん、行く」




 
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