ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
「じゃあさ、僕のことはどう…」
「ほら、見て! 投げるの一番目だよ」
もう少しのところで、モニターを指差す彩矢香。
【タツミ】と書かれた1フレーム目のマスに、ひし形のマークが灯っていた。
「お前が投げなきゃ始まんねーぞ!」
昨日は励ましてくれたくせに、今日は邪魔をする亮平。
「わかってる? 負けたら罰ゲームだからね!」
彩矢香はボールを両手で抱え、勝気な顔をしてレーンの椅子に向かった。
タツミ グッさん
アカネ ✕ ミサコ
はるか ゲン太
リョウ サヤ
ボウリングの勝負になると、中盤で必ずこういうヤツが出現する。
「これさ、練習にしない?」
「「ダメ―!」」
今日の場合は、僕だった。
彩矢香の前でいいところを見せたいと張りきりすぎての完全な空回り。
1ゲーム目を終え、結果は劣勢。
泣きの3ゲーム目でそれは起こる。
時刻は午前3時。
「ん゛⁈」
突如フロアの照明が落ち、辺りは真っ暗。
10m先のピンだけが光を浴びている。
「な、何⁈」
「どういうこと⁉」
僕だけだろうか。この時間と昨日の出来事をリンクさせているのは。
あの手足の無い女が脳裏で甦り、ゾワッと身体を駆けるトラウマ。