ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
《『さぁ、ショーの始まりだ! ミッドナイトストラーイク!』》
「……え」
大音量のテクノサウンドに被さる男の声。
その陽気さは、まるで道化師。
まんまと踊らされた僕らは、さもピエロ。
《『ルールはカンタ~ン! 次の投球者がストライクを取れば、素敵な景品をプレゼント。女の子なら9ピンでも構わないぜ!』》
「ビックリしたぁ~。ただのイベントじゃん!」
美佐子に身を寄せていたはるかは、足先をバタつかせて安堵する。
《『チャンスは1回のみ! Are you ready? GO!!』》
パンチの効いた号令を皮切りにブラックライトが点灯。
茜の白いロングスカートは海月みたく浮かび上がる。
幻想的な演出で、皆のボルテージが急上昇。
「よーし! 絶対獲ってやる!」
僕の組の投球者は亮平。
腕まくりをしながら意気揚々と立ち上がった。
「ガンバレ! リョーヘーイ!」
今、敵味方は関係ない。
「緊張する……こういうの苦手なんだけど、私」
美佐子は皆に押されながらボールリターンの前へ。
――ガタンッ。
そのタイミングで、前の球が戻ってきた。
亮平は、手前で止まるそれを奥に流そうと手を伸ばす。
「ひッッ゛⁉」
だが、恐れおののいてサッと手を引いた。
刹那!
――キイィーーーーーンッ。
「イ゛⁈」