ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
階下は受付のあるフロア。
激しく取り乱しながら床に倒れこむと、閉店前の暇を持て余している従業員たちは一様に唖然としていた。
「お客様、どうかなさいましたか?」
「上に! 3階に、霊が!!」
「……はい?」
僕が助けを求めるように答えれば、少し呆れて首をかしげる。
「お前、行ってこいよ」
カウンターの隅で笑う同じ色のジャンパー。
「オレ、っすか?」
「いいから!」
「……も~ぅ」
先輩の指示には逆らえないのか、明らかにふてくされ、耳の裏を掻きながら気怠そうに階段へ向かう。
「ここで長く働いてますけど、幽霊が出たなんて初めてですよ」
「本当なんです! 手足の無い女の霊が」
「え゛⁈」
顔をしかめる従業員。想像するだけでも見るに堪えないのだろう。
数分後……。
「別、何もなかったすけど!」
すぐに戻ってきた後輩は、気怠そうに報告。
僕らは当然ながら納得できない。
一旦冷静になり、先輩を連れだって全員で上のフロアに戻った。
すると、そこには……。
「ホントだ……」
照明は元通り。空いているレーンのモニターにはヒットソングのPVが流れ、それに付随した大音量の音楽。
5分前の出来事が嘘のように、“らしい”ボウリング場の風景がそこにあった。