ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】




――ギュルルルーーーッ!

鉄をも寸断する強靭な刃を、自らの左脚に刺しこんだ。

「リ゛ョ……」

足は一瞬にしてあらぬ方向に曲がる。

――ギュルルルーーーッ!

同じく、一瞬にして真っ赤に染まる集塵袋。

「ぎゃ゛あ゛ぁあ゛――!」

作業員の悲鳴はこの惨状によく似合い、

「ハハハハハハハハハハハハッ!」

亮平の狂った笑い声はさぞかしそぐわない。

――ギュブオオォ――――ンッ。

すんなりと胴体から離れた左脚。

僕のいるほうに倒れ、深紅の肉と太い大腿骨があらわになった。

「クハッハッハッハッ」

――ドサッ!

バランスを失い、地面に身体を打ちつける亮平。

しかし、これで終わらない。

あたかも仕事をこなすように、次は刃を下に向けて構える。

「ゃ、や゛めろー!」

またも!!

――ギュルルルーージリリッ!

躊躇なく振り下ろし、右脚を経由して地面を削った。

「ッ゛……」

凶行の果てにある驚愕の極み。

目の前で親友が壊れてゆく様をただ眺めている僕。

――ブオオォ――――ンッ。

今すぐ駆け寄って止めたい。でも、あまりに酷くて近寄りがたい。

おそらく、この光景を目に焼きつけている誰しもが。

「ヒハッハッ、ハハハハッ!」

――ブオオォ――――ンッ。

「も゛うやめてくれ……」

僕は膝をつき、うなだれながら願った。

だが、

――ジッ! ジッ! ジジッ。

この音が鳴る度、亮平の手の指が宙に舞う。

見るも無残で、目を閉じる僕。だが、現実を直視していた。

そう……。呪いのゲームは本物なのだと。

――ジリリリリリッ!

「アハハハッ――」

でなきゃ、この惨劇の説明がつかない。

そんな“気付き”の間に、彼の右腕が数メートル飛ぶ。

鮮血を撒きちらして身体を反転させ、衰えることを知らない刃に最後の左腕を近づける。

「ぬ゛ぁあ゛あぁーーっ!!」

僕にできることは、夢なら覚めろ!と嘆くことだけ。

ついに4本の手足が胴体から切り離され、僕はその画に地獄を垣間見た。

そして、神経の伝達がショートするように、プツリと意識が途絶える。



 
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