ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】




「わかりました。みな、この刑事さんに協力しよう」

他でもない玄の呼びかけで、ベッドにいる僕以外の全員がバッグや財布の中身を見せる。

「うん。……いいよ、ありがとう」

「どうやら、誰もそういうのは持ってないみたいだね」

すっかり角が取れて優しい口調になったふたり。

今なら色々なことを引き出せると思い、訊ねた。

「リョウの遺体も、第一発見者は畑山先生なんですよね?」

「あぁ、そうだ。ちゃんとその線でも追ってる」

「その線って?」

「ぁ……」

斎藤はバツが悪そうに顔をしかめ、眉間を親指で掻く。

察するに、つい口を滑らせたのだろう。

「彼も犯人グループの一人かもしれない線だ」

「で!? 何か掴めてるんですか?!」

またも興奮ぎみの玄。僕らにとって鬼に金棒。

「こんなハズじゃなかったんだが……」

聴取しに来たはずのふたりはとうとう諦め、ペンと手帳を胸ポケットにしまう。

「被害者もいるし……左遷は困るから、特別に話そう」



 
< 79 / 160 >

この作品をシェア

pagetop