ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】



待ち合わせ場所は駅ビルの一角。

はるかと彩矢香はすでに僕を待っていた。

「たっちゃん、もーう。遅いよ!」

「ご、ごめん」

ふたりに駆け寄るその間、前を横切った男が数人、彼女たちを二度見する。

それもそう。何度見ようが、ふたりは完璧だ。

スタイルや容姿、ファッションセンスに至るまで。

「じゃ、行こうか。家はどっち?」

ちょっとした優越感に浸りながら前を歩く僕。

はるかは途中にあったレンタル店に寄りたいと言う。

「ずっと気になってた映画があるの。3人で観ない?」

「僕は別に構わないけど……」

「うん、私も」

夜を恐れない方法を、はるかなりに考えたのかもしれない。

それならたしかに、映画は時間と気を紛らわすベタアンドベターだ。

彼女は早足で数多ある新作の棚から迷うことなく1本を選ぶと、

「もう一つは3人で決めよ!」

と持ちかける。

ここからが長かった。

女子特有の優柔不断が炸裂し、そのたった1本がなかなか決まらない。

僕が適当に相槌を打つと文句を言われ、“これがいい!”と提案すれば即却下。

彩矢香の妙なハイテンションも相まって、とても今夜のことを恐れているとは思えないハシャギっぷり。

結局、はるかの自宅に着いたのは夜も深まる10時過ぎ。



 
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