ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
画面は4分割の映像。しかし人間などの動きがなく、静止画のようにも見えた。
「何、どうしたの?」
僕のあからさまな戸惑いに、可愛らしい模様の座布団に正座する彩矢香もテレビを凝視。
「あ~。それ、下の監視カメラだよ!」
片手にグラスを3つ持ちながら、はるかはそう答える。
よく見れば、たしかにさっき通ってきた場所だ。
エレベーターに向けられたカメラに、エレベーターからエントランスを映すカメラ。
インターホンに備え付けられたものと、警備員室周辺を捉えた計4台。
「来た人が呼びだしを押すとね、テレビを点けてたら自動的にチャンネルが切り替わる仕組みなの」
「へぇ~、ハイテクだな」
約40分後。
彼女の言った通り、チャイムと共に画面が切り替わる。
「ピザがきた!」
それからはちょっとしたパーティー。
彩矢香おすすめの赤ワインと、デパ地下のカルパッチョ。
はるかが独断でチョイスしたピザの味にも、3人で舌鼓を打つ。
いつしか思い出話に花を咲かせ、日をまたいだことに気付いたのはだいぶ時間が経ってから。
「もう1時過ぎてるじゃん……」
時計を見るや、はるかの顔つきが急に強張る。
それまでのテンションも直滑降。
「借りてきたやつでも観るか! な?」
僕は慌てて袋からDVDを取り出す。
しかし……。
「呪いなんてあるわけないよね⁉」
隣にいた彩矢香の腕を掴み、今にも泣きだしそうな眼差しを向ける。
「分かった。じゃあこうしよう!」
僕はブルーレイデッキのカウンターに未開封のおてふきを貼りつけた。
「タツミ……何してるの?」
さらに、壁掛け時計を裏返して床に置く。
「こうすれば時間を気にしなくていいだろ?」
「……ぅ、うん。そうだね」
彩矢香とふたりでソファーの位置を変え、映画を観る態勢を整える。
はるかの要望で、部屋の電気は消さずに。
「これ、絶対に感動するから!」
と、彼女は自分のふとももにティッシュを置く。
大抵、こうやって先にハードルを上げると失敗するもの。
僕はそんなことを思いながらチャンネルを切り替えた。
予告編が続く中、畑山を監視しているあいつらのことがふと気になって、電話を掛ける。