ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
「どういうこと!? ちゃんと説明してくれ!」
「ッ……だったら、お前も来い!」
山口はそう言って、排気口から白い煙を出す車に乗りこんだ。
「たっちゃん……」
「……彩矢香」
ここに残るべきか、それとも一緒に行くのか。
モヤモヤとした気持ちが火薬なら、好奇心は導火線。それが爆竹のように弾けた。
「彩矢香。僕、行ってくる」
「ぇ!?」
「警察がもうすぐ来るし、ここにいたほうが安全だ。それに、はるかのことを話してほしい。できるか? できるよな!?」
「……う、うん」
「よし。部屋に置いてきた僕の私物は頼んだ。家に帰って待ってて!」
「……分かった」
僕は後部座席に腰を下ろし、もう一度彩矢香を見る。
彼女の心配そうな瞳が徐々に遠ざかっていった。
「タツミ! 何やってたん、何度も電話したんやぞ!」
と、ハンドルを握る玄はかなりの剣幕でまくしたてる。
「悪りぃ。携帯持ってなくて……」
彼の怒りが車の加速に表れていた。そして、僕に取り巻く謎も。
「まったく状況がわからない。さっき電話した時は動きなしって言ってたよな?」
「3時前まではそうだった。あれから事態が一変したよ」
玄は猛スピードで車を走らせながら、事の次第を話す。
「オレら、畑山に会いに行ってん……」