ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



『タツミ⁉ まさか、ミサコも死んだのか⁈』

まずは、僕が死の知らせを届ける死神ではないと冷静に諭す。

そのあとで、電話の目的を悟られないように遂行した。

正直僕は、はるかを連れ去った3人組のひとりが、山口ではないかと疑ってならない。

一夜ごとに近づく死の恐怖に戦々恐々としているのも、迫真の演技だとしたら、僕らが尾行に気付かなかったのも頷ける。

さらには、どうしても気になっていた。

山口は大貫に何をしたのか。問いつめたあの時、尋常じゃない汗を拭っていた理由が。

『タツミ……お前は昔から口が堅かったよな?』

『それ、自分で言うヤツが一番危ないだろ!』

『フッ。まぁ、そうだな』

男同士の電話は秘密の紐も緩くなるらしく、今にも吐露しそうな予感。

『今、ひとりだよな?』

『いいや。彩矢香と一緒にいるけど』

しかし、彼女の名前を出すと流れが一変。

『彩矢香⁈ だめだ、ダメ! 話せない!!』

山口は態度を翻し、頑なに拒否しはじめた。

そのくせ、

『代わってくれ!』

と乞う。

もう訳がわからない。

「グッさんが代わってくれって。はい」

僕は彩矢香に携帯を渡し、表情を見ていた。

『うん。そうだね。……何? え、どうして? だから、もう死んでるって! ……ぅん、わかった』

通話を切った彼女は、浮かない顔で僕に携帯を返す。

「なんて?」

「……うん。海外に逃げたいから、協力してくれって」

「海外⁉ どうして?」

「あいつは生きてて、絶対に自分を殺しに来る。だから、遠くに逃げたいんだって」

「あいつって、大貫のこと?」

「そう」

ちゃんと説明はした。今夜で呪いは終わらせられる、と。

そもそもそれ自体、伊達磨理子によるものだとも。

だが山口は未だ、大貫の亡霊に怯えている。

結局何をしたのかは訊きだせなかったが、よほどのことをしたんだというのはよくわかった。



 
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