ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



そこまで怯えられると、なにやら僕のほうまで、大貫は生きているんじゃないかと思いはじめていた。

警察に事実誤認があるのではないかと。

しかし、僕らは知らない。

彼女がどの高校に進学し、どこで暮らしていたのか。

調べる術は1つだけあるが、もうあの声には触れたくなかった。

「はーぁ……」

ため息がつい漏れ出る。

闇夜、行き止まりの壁ばかりがある迷路の中にいるみたいだった。

「ねえ。思ったんだけど、あの携帯を浜田さん達に渡さない?」

この彩矢香の言葉に僕はひらめき、ため息を吸い戻す。

「それな! 警察なら契約者を調べられる」

どうしてこんな簡単なことに気付かなかったのか。

必ず見つけだしてやる!と息巻いていた自分が、今となっては恥ずかしい。

僕はすぐに電話をかけた。

事の次第を話しながら、追加の注文を運んできた店員の顔を見る。

どこか冷たいその視線は、僕のことを、電話ばかりしている最低な彼氏と思っているのだろう。

「えっとね……明日は静岡に聞き込みだから、明後日なら受け取れる。それか、明日署に届けてくれたら」

浜田ではなく、斎藤にした。彼のほうが歳も近いし、話しやすい。

「じゃ、明日届けます!」

今宵、旧友の連続不審死に終止符を打ち、明日、それに関わった者が判明する。

これからの行動計画にメドがつき、やっと彩矢香との時間を心おきなく楽しめた。

気付けば1時を回り、飲み物を勧める店員の姿もない。

そろそろ美佐子から連絡が来るはずだ。



 
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